開催日時:2021年8月8日(日)
午後20時45分〜 仮配信
午後21時00分〜 本配信
なお配信時間は90分を予定しております.
新型コロナウイルス感染症にステロイドの投与は本当に意味があるのでしょうか?
【仮想シチュエーション】
あなたは,とある街の薬局の薬剤師さんです.
ここは街の中心地にある大型薬局で,ドラッグストアも併設.毎日たくさんのお客さん・患者さんが来局されます.
あなたは今年度から,上司である薬局長より,「新人・後輩のOJTリーダー」に抜擢され,普段の自分の仕事に加えて,後輩たちへ薬の使い方・患者対応・OTC販売の心得の指導なども行い,毎日が大忙しです.
年度明けからあっという間に4ヶ月がすぎた夏真っ盛りのとある午後,少し来局者が落ち着いた時を見計って,後輩の一人から声をかけられました.
「昨日対応した患者さんなんですけれど,『もしコロナになって,しかも自宅待機とかになってもこれ飲んどきゃ大丈夫でしょ?』って聞かれたんです.よく分からなくて,『そうですねぇ』なんて言っておいたんですが,それで良かったですかね?」
- 幼少期より気管支喘息の診断で治療を受けている22歳大学4回生(男)
- 吸入アドヒアランスはお世辞にも良好とは言えず,受診間隔もまばら
- 呼吸が辛い時は頓用の吸入薬や経口コルチコステロイドをついつい使ってしまう
- コロナワクチンについては大学で職域接種が始まるも,今のところ行く気がない
- ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入剤 1回2吸入 1日2回
- プロカテロール塩酸塩水和物吸入剤 1回2吸入 1日4回まで(呼吸が苦しい時)
- プレドニゾロン錠5mg 1回2錠 1日2回 7日分(呼吸がさらに苦しい時)
その後輩の最後の一言に激怒しそうになったところをなんとか笑顔で誤魔化しつつ,「んん〜,本当にそう思うのかなぁ.言っちゃったものを取り消すわけにはいかないけれど,ひとまずこの論文を読んで,一度みっちり勉強してみようかね.分からない時に適当な対応したらいけないよ」と,当該疑問に対する論文を取り出して,他のスタッフも呼んで,みんなで一緒に読んでみることにしました.
【お題論文】
Pasin L, Navalesi P, Zangrillo A, et al.
Corticosteroids for patients with coronavirus disease 2019 (COVID-19) with different disease severity: a meta-analysis of randomized clinical trials.
J Cardiothorac Vasc Anesth. 2021;35(2):578-584.
PMID:33298370
【使用するワークシート】
メタ分析を10分で吟味するポイント
メタ分析 (8319 ダウンロード )
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薬剤師のジャーナルクラブ(Japanese Journal Club for Clinical Pharmacists:JJCLIP)
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