開催日時:2021年7月11日(日)
午後20時45分〜 仮配信
午後21時00分〜 本配信
なお配信時間は90分を予定しております.
アデュカヌマブは本当に期待の新薬なのでしょうか?
【仮想シチュエーション】
あなたは,とある街の薬局の薬局長さんです.
今日は珍しく”超”がつくほどの暇な外来調剤.OTC医薬品の相談もほとんどなしでした.
外来の仕事はほとんど部下スタッフたちに任せて,自分は社内で必要な事務作業をぼんやりした頭で雑にこなしているところです.
『そろそろ夏がきたなぁ…今年こそは家族でプールに行けるかなぁ』
なんて仕事そっちのけで余計なことを考えていると,新人薬剤師くんがやや興奮した様子で話しかけてきました.
「アルツハイマー病に期待の新薬が出たんですって!しかも全く新しい作用機序って,なんか胸熱じゃありません?!これは患者さんにも雑談兼ねて説明しても良いかもですよね?!」
と,ちょっと前のめりになっている新人くん
どうしたのと聞いてみると,どうも米国FDAが先月6月に承認したアデュカヌマブのことを言っているようです.
米、世界初の認知症新薬「アデュカヌマブ」を承認 エーザイなど共同開発
https://www.sankeibiz.jp/business/news/210608/bsc2106080932016-n1.htm
作用機序の新規性と,実際の臨床効果の程度が必ずしも相関するわけじゃないことを伝える良い機会だと思ったあなた.
「ふむ,『アルツハイマー型認知症患者さんに,アデュカヌマブを投与すると,他の認知症治療薬と比べて,認知症の進行を本当に抑制できるのか?』ってところだね」
こちらでPECOを設定した上で,「よし,じゃあ今日は外来も暇で退屈していたところだし,一緒にこの論文を読んで,患者から質問があったときにどう応えるといいのか,練習してみようか」と,二人で早速,論文を読んでみることにしました.
【お題論文】
Mo J-J, Li J-Y, Yang Z, Liu Z, Feng J-S.
Efficacy and safety of anti-amyloid-β immunotherapy for Alzheimer’s disease: a systematic review and network meta-analysis.
Ann Clin Transl Neurol. 2017;4(12):931-942.
PMID:29296624
【使用するワークシート】
メタ分析を10分で吟味するポイント
メタ分析 (8319 ダウンロード )
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薬剤師のジャーナルクラブ(Japanese Journal Club for Clinical Pharmacists:JJCLIP)
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