【コラム】医学論文を効率的に検索するためのノウハウ

コラム

2023 年 10 月 15 日開催予定の2023年度第 7 回薬剤師のジャーナルクラブでは、視聴者さまからの質問をもとに、テーマ論文を選定してみました。


頂いた臨床疑問は以下の通りです。

31歳で潰瘍性大腸炎を発症した49歳の女性。
ペンタサで概ね寛解を維持していて、劇症時には一時的にステロイド薬を使うこともある中等症の患者。
『ペンタサを止めたら、急激に悪化しますか?』


みなさんは、この臨床疑問をもとに、どのように論文を検索しますでしょうか。JJCLIPのテーマ論文選定にあたり、実際に論文検索をしたのですが、Facebookのメッセンジャーにそのやり取りが残っていました。

10月1日の16:45に論文検索を開始していたようです。いつもギリギリですね💦すみませんです。

16時57分には論文検索が完了していますので、作業時間は12分というところでしょうか(誤字はご容赦ください)。やや難易度の高いと感じた臨床疑問でしたので、時間がかかってしましました。論文の内容については、当日のJJCLIP配信で解説予定ですが、「ペンタサを止めたら、急激に悪化しますか?」という疑問について、どのような観点から検索語を設定すると効率的に論文を見つけることが出来るでしょう。


まず僕が注目したのは、 ペンタサを中止したら、症状が悪化するかしないか でいえば、悪化する方の期待値が高いということです。つまり、悪化の程度について実際的な効果量を検討した論文は倫理的に許容されず、臨床研究としては実在しないだろう、と予測したわけです。

症状の悪化に対する期待値が高ければ、どんな人でより悪化しやすいのか、つまり危険因子に注目することで、悪化しやすい「状況」を定量的に把握することが出来るでしょう。そのため、今回の検索では、「5-aminosalicylic acid Recurrence ncbi」でGoogle検索をしてみたのでした。

臨床疑問をストレートにPICOに変換するだけでは、効率的な論文検索ができないことも少なくありません。疑問に対する直接的な答えを探すというよりは、臨床疑問の解決に参考となる情報を見つける、という視点で検索語を設定してみると良いかもしれません。

とはいえ、この論文をもとにしたディスカッションで、ご質問者さまの疑問が解決するかどうかは別のお話し💦JJCLIP配信をお楽しみに◎

※薬剤師のジャーナルクラブでは視聴者さまからの医療や健康に関する疑問も募集します。調べてほしい臨床テーマなどありましたらXなどのSNSを通じて是非、ご連絡ください。

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