ケアの継続性に着目した臨床薬剤師によるLIMMモデルと、日本の臨床現場における実装可能性

薬学教育や薬剤師業務に関する専門誌「Pharmacy」誌(IF:2.0[2023])の電子版に、臨床薬剤師による業務モデル「Lund Integrated Medicines Management(以下、LIMM)」と、日本における実装可能性を論じた総説が2024年12月5日付で掲載されました。当法人、共同代表の青島も共同著者となっております。

Sato, R., Aoshima, S., & Eriksson, T. (2024). Clinical Pharmacist-Led Collaboration of Multiple Clinical Professions Model Focusing on Continuity of Pharmacotherapy: Japanese Version of the Lund Integrated Medicines Management (LIMM) Model. Pharmacy, 12(6), 184. DOI;10.3390/pharmacy12060184
https://www.mdpi.com/2226-4787/12/6/184

本論文は、薬物療法の継続性にかかわる問題点を整理したうえで、途切れのない薬学的なケアを、薬剤師主導で行う業務モデル、LIMMの概要を解説した総説論文です。LIMMに基づく薬剤師の業務と患者アウトカムの関連性、薬学教育におけるLIMMの役割、日本における同モデルの適用可能性まで考察を広げてみました。

LIMMとは、スウェーデンのルンド大学病院で開発された臨床薬剤師の標準的な業務モデルです。入院前、入院中、退院後の各医療プロセスにおける薬剤関連問題を特定し、その解決や予防に関する業務を薬剤師主導で行うためのノウハウが整理されています。

LIMMはまた、途切れないケア(ケアの継続性)を前提に、服用が難しい薬剤の処方を避け、プライマリケアにおける薬物療法の実行可能性を踏まえた薬物療法を提案します。むろん、入院中の薬物療法に関するコンサルティングも、LIMMの業務に含まれます。入院中と退院後の薬物療法のギャップを回避し、質の高い薬物療法を途切れることなく提供することに主眼を置いた業務モデルなのです。

本論文は、全文が無料でアクセスできますので、是非ご覧いただけましたら幸いです。

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