開催日時:2026 年 10 月 18 日 (日)
午後 20 時 45 分〜 仮配信
午後 21 時 00 分〜 本配信
なお配信時間は 60 分を予定しております.
【お題論文】
Feldman C、 Semprini J.
Causal inference、 cancer registry data、 and a single state policy change:
Evaluating Virginia’s HPV vaccine mandate.
J Cancer Policy. 2026 Sep;49:100777. doi: 10.1016/j.jcpo.2026.100777. Epub 2026 Jul 13.
PMID: 42442540
令和8年度第7回、今年度7回目の薬剤師のジャーナルクラブです(JJCLIP)。
HPVワクチンが子宮頸がんを減らすことは、
すでに多くの研究で示されています。
では、「HPVワクチンの接種を学校入学の条件として義務化する」という政策は、
実際に子宮頸がんを減らしたのでしょうか?
米国バージニア州は2008年、全米で初めて、
6年生への進学時にHPVワクチン接種を求める義務化を導入しました。
ただし保護者は資料を確認すれば理由を問わず免除を選ぶことができ、
「接種が必須だ」と認識していた保護者はわずか14%だったという調査もあります。
今回取り上げるのは、この義務化が将来の子宮頸がん罹患率に与えた影響を、
全米のがん登録データ(2003〜2019年)と因果推論の手法を用いて検証した研究です。
義務化の対象世代が20〜24歳に達した2016年以降を「介入後」とし、
他州の重み付き組み合わせ(合成コントロール)や、州内の30〜49歳の推移と比較しています。
結果は、意外なものでした。
- バージニア州でも他州でも、20〜24歳の子宮頸がんは減少していた
- 他州との単純な比較(合成コントロールDID)では、義務化の効果は認められず
- 年齢層の推移も考慮した主解析(合成コントロール三重差分)では、
むしろ10万人あたり+1.6件(95%CI 0.4〜2.7)と増加方向の推定 - 検診率の調整や複数の感度分析でも、同じ方向の結果
著者らは、これは「義務化ががんを増やした」という意味でも、
「HPVワクチンが効かない」という意味でもないと強調しています。
問われているのは、ワクチンそのものではなく、政策の“実装”の効果です。
どちらのモデルを信じるべきか? そもそも何と比べているのか?
因果推論による政策評価の面白さと難しさを、
EBMの視点から一緒に読み解きます。
🔍 当日の内容
- PICO整理
- 研究デザインの評価(差分の差・合成コントロール法・三重差分法とは)
- 主要結果の量的解釈(モデルによって結論が変わるのはなぜか)
- ワクチンの有効性と政策効果の違いを整理する
- 臨床的・政策的意義
- 研究の限界
EBMや論文読解に興味がある方なら
どなたでも参加歓迎です。
一緒に論文を読み解いてみましょう!
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薬剤師のジャーナルクラブ(Japanese Journal Club for Clinical Pharmacists:JJCLIP)とは, 当法人が運営する,EBMを実践するための学びの場を提供するSNSコミュニティです.
設立当初は薬剤師向けを意識した勉強会でしたが,現在は他職種,および一般の方々にも楽しく視聴できるよう配慮をしております.
